札幌の実家に引越ししたのが小学生に私が上がるため。一戸建てで学校から少しでも近いをと林檎畑の中にあった平屋から、大根畑の中へと移ったのだった。
引越して一月ほどで野良猫が現れた。最初のネコは白黒模様の名前はミキちゃんだったと記憶する。
その子から代々子供が生まれて我が家は長いこと近辺住民からクレームが来るほどの猫屋敷だった。
30年以上野良猫の命は受け継がれたのだった。(最初の頃は農地に猫がいるのはネズミ対策で当たり前だったのだが、どんどん宅地化が進んで、猫も人も生きるのがなんだかしんどい土地になった)
札幌の冬は過酷である。大体3~5年が野良猫の寿命である。
寒い冬には外に居る猫を思って毎年泣き続けていた幼少期だった。
それから成人してからある日、夜10時頃短大時代の友人がマンションの駐車場で猫を拾ったといって、真っ黒い猫を連れてきたのだった。
それが今回死に際を彷徨っている猫である。やっと寒い思いをさせない猫ができたうれしい気持ちになったことを覚えている。猫屋敷だった我が家も、代々の猫は昨年最後でなくなり、今度は愛猫がそろそろと言っている。