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ひみつの飴玉 平岸古本日記

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アルプスの少女 ハイジ

アニメじゃなくて「文庫」を読んでの話。
長いこと、温めてあったのですが、
(100均の文庫ボックスに眠っていた)
ずーっとパソコンの前に居ると
どんどん逆に現実逃避したくなって
文庫本をイッキに読み干してしまいました。

起承転結
アニメとほぼ同じなので
ネタバラシしても大丈夫ですよねー。
あんまり本を読む前に
知識があってもーと思う方は読まないで下さい。

ハイジの境遇・・・悲しすぎですよねえ。
両親は幼いころになくなって
叔母さんに無理やり山のおじいさんに預けられるのですが
良いおじいさんでよかったよ。
現代だったら・・・通報もんです。
そして、無理やりまた叔母さんに連れられて
叔母さんの仕事に利用されるように
クララのもとへ。
クララも良い子でよかった。

しかし、「お金」がいくらあっても
都市では幸福にならないところや
(クララが不健康だったり・ハイジが夢遊病者になったり)
「お金」がなさすぎて、山村が貧しかったり(おばあさんやペーター)
山で健康になったり・歩けたりするクララや
山だけど住居や生活環境で体を患うおばあさんがでてきたり
勉学が必要だとか、
複雑な物語なんだよねー。
おばあさん、おじいさんが活躍する話だったりするし
ハイジが文字を読めて、信仰心厚くなっていくところとか
児童文学だから明るくストーリーに出来る訳でして。
現代小説で足の歩けない子の話なんて
あまりないですよねえ。

この複雑な入り組ませ方が実に妙な作品です。
自然の描写が実に美しく
悲しい物語をきらめかせるのでして。

ヨハンナ・シュピリが原作を書いているのですが
まず、愛息子を亡くし
その数ヶ月に愛夫を亡くし
そして創作活動に入っているのですが、
だから物語が全体に「悲しいトーン」なのかしら?
なんて思ったりしました。

最後はハッピーエンドですが
なかなか、全ての人が報われるハッピーエンド。

私の読んだのは角川文庫
夏休みの読書の一冊としていかがでしょうか?

不幸を山羊のようなキックで
追い払ってしまう
力強さを物語が持っております。
by kanazuuu | 2008-08-12 19:43 | 一人ごと